客館跡のおはなし
古代日本の「西の都」
古代の大宰府は、九州の政治・文化の中心であり、日本の対外防備の先端拠点でした。
また朝廷に代わって、外国使節を応対し、交易を行う役割もありました。このため街には、大宰府に来た外国使節が滞在する客館も設けられました。
「外交」は本来、朝廷が京に外国使節を迎えて行うものですが、「大宰府」でも、朝廷の使者が派遣され、外交・饗宴(宴会)・交易が行われました。
「客館(鴻臚館)」は外国使節が滞在する施設です。
大宰府から15kmほど離れた博多湾岸にあった筑紫館(鴻臚館)という古代客館が有名ですが、大宰府の都市(大宰府条坊)にも古代客館があったことが遺跡調査で確認されました。
当時の東アジアの都が朱雀大路(中央南北大路)沿いに客館を置いたように、政庁からのびる朱雀大路沿いに置かれていました。
外交が盛んだった8世紀から9世紀前半の客館で、遺跡調査では、巨大な建物跡や、唐・新羅・日本を代表する高級食器が揃って見つかりました。唐ではじまった喫茶に使う茶椀や道具も見つかっており、日本のおもてなしの原点をうかがうことができます。
○アクセス
― 西鉄二日市駅より徒歩約4分
― 大宰府政庁跡より徒歩約15分
― 太宰府天満宮より徒歩約33分(車約6分)
○その他
― トイレあり。
― 駐車場なし。(徒歩もしくはお近くのパーキングエリアをご利用ください)
― 入場無料
客館跡の活用
平成26年10月6日
令和2年4月
令和3年2月12日(金)
~2月13日(土)
官報告示により、太宰府市朱雀三丁目にある西鉄二日市操車場跡地および隣接する道路が、特別史跡大宰府跡に追加指定される。
客館跡の保存整備工事が完了し、令和2年4月から史跡広場としてオープン
大宰府政庁の南門をコンピューターグラフィック(CG)で再現したプロジェクションマッピングが披露される。
高さ15メートルの画面に南門を再現。飛鳥・奈良時代の大宰府の歴史を解説するアニメ映像、雅楽の演奏なども披露された。
令和4年10月1日(土)
~12月25日(日)
フードトラックと移動図書館による、客館跡の魅力を高めるための実証実験が行われる。